【導入事例】 入港予定の見える化で関連タスクが約3分の1に。住宅資材の輸入実務を支えるMonCargoのDX効果

2025/04/15
Ayana

Ayana 代表取締役CEO

神戸大学文学部を卒業後、楽天株式会社に入社。ECの基礎を学ぶ。その後、外資系メーカーに転職しメーカー側の課題に直面する。夜間MBAにて経営戦略を学ぶと同時に、FMCGよりもラグジュアリーブランドにおけるマーケティングに興味をもち、フランスESSECに留学。帰国後、外資系化粧品メーカーのECマネージャーやスタートアップCMO等を経て、MonCargoを創業。

木材を中心に建築・住宅資材をグローバルに展開する、ナイス株式会社。

ナイス株式会社は、「私たちは 信頼を礎に 豊かな住まいと暮らしを実現します」という企業理念のもと、住宅関連資材の供給をはじめとした住環境の総合提案を行う企業です。1950年の創業以来、木材流通を軸に事業を拡大し、現在では国内外からの建築資材の調達・販売、住宅・不動産開発など多岐にわたる事業を展開しています。

中でも海外からの輸入資材調達においては、木材を中心とした住宅資材の安定的かつ効率的な供給体制の構築を目指し、複数の国や地域のメーカー・サプライヤーと連携。船積・通関・納入に至るまでの流れを、部署横断で日々管理されています。
今回お話を伺ったのは、ナイス株式会社 資材事業本部 木材事業部 木材仕入部 担当部長の藤井徹様と、同部署の貿易業務課の志農裕美子様。マネジメントと現場、両方の視点からMonCargo導入の背景や効果について語っていただきました。

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本記事の概要

目的

  • 住宅資材の輸入において、煩雑かつ不確実性の高い入港情報の確認・共有業務を効率化するため。

課題

  • 入港予定日の把握に時間と手間がかかる
  • 船会社ごとの情報精度のバラつきにより、タスク遅延や残業が発生
  • 情報共有のタイミングや精度に課題があり、社内連携にも影響

導入後の効果

  • 入港確認および情報共有タスクが約3分の1に削減
  • 最新情報の把握と共有がスムーズに
  • 業務効率化だけでなく、業務全体の見直しや棚卸しのきっかけにも

「いつ船が着くのか」が読めない――輸入実務の現場にあった悩みと、偶然の出会い

藤井様:ナイス株式会社の貿易業務課では、木材を中心とした住宅資材の輸入に関わる実務を担当しています。志農さんは、船積書類の確認、入港情報の把握、社内への情報共有など、日々多岐にわたる業務を担っています。

志農様: 私の担当業務の中でも特に悩ましかったのが「いつ船が着くのか」という不確実な情報との戦いでした。予定通りに進められるならまだしも、スケジュールが急に変更になると、想定外のタスクが発生。 他の業務にも波及し、段取りを立てて進めていた仕事が後回しになり、気づけばタスクに追われる日々になってしまう ──そんな状況が何度もありました。

MonCargoとの出会いは、そんな日常の中の偶然の一言からでした。当時、同じ部署の上司の一人が「こんなサイトあるよ」と紹介してくれたのがきっかけです。彼はネットサーフィン中に偶然見つけたそうで──ちょうど私も、毎日複数の船会社サイトを回って入港状況をチェックしていた時期でしたから、「これは使えるかも」と直感的に思いました。

実際、MonCargo導入前は、船会社ごとにサイトの更新頻度や精度が異なるため、情報を正確に把握するのが難しく、結果として社内の連絡や手配がギリギリになってしまうこともしばしばあり、残業の要因にもなっていました。

本来もっと時間をかけるべき業務の前に、単純作業に多くの時間を奪われていたことも課題だったといいます。

導入の決め手は、“一目でわかる”+“現場にフィットしていた”こと

―― MonCargoの導入を決めた理由を教えてください。

藤井様: 複数の船会社のトラッキング情報を一元管理できるという、シンプルながら現場にフィットしたサービス で、「これなら現場で使えるな」とすぐにイメージが湧きました。操作も直感的でわかりやすく、情報の見せ方も整っていて、“一目でわかる”設計 がされている印象でした。

当時、会社としても「残業を減らそう」という空気が強くなっていたタイミングだったこともあり、業務のデジタル化を通じて少しでも負担を減らすことができるなら と、導入を決めました。

入港・情報共有タスクが約3分の1に。残業も緩和

―― MonCargoを導入して、どんな変化がありましたか?

志農様: 一番大きな変化は、やはり 時間短縮 です。

最新の入港予定日を関係者に週1回、配信しているのですが、MonCargo導入前だと少なくとも、1.5時間はかかっていたのが、導入後は30分以内に短縮 されました。すべての船会社の情報がMonCargo上に集約されていて、個別にサイトを見に行く必要がなくなったのはとても大きいです。

また、導入前は、入港予定日を日々トラッキングしていましたが、導入後は日々の入港確認タスクもなくなりました。

さらに導入前は、全ての船積みを確認するとそれだけで時間がすぎてしまうので、実際には、入港が近い船積み・本船に絞ってトラッキングしていました。そのため、遅延に気づくのが遅くなるというのも課題でした。

MonCargoでは、営業所ごと、顧客ごとなどの項目を追加できるので、社内の管理Excelとも比較的簡単に連携できて、部署間の情報共有もスムーズになりました。

まだまだ効率化できるタスクはあるものの、当時の「残業を減らしたい」という会社としての課題に対して、明確に効果を感じられるツールだった と思います。

「あのときMonCargoがあれば…」と振り返るほどの実感

藤井様: 2022年のウッドショックでは、需要の急増に対応するため、輸入量も業務量も多く、トラッキングやスケジュール調整もすべて人力で行っていました。あのときMonCargoがあれば、ね!

志農様: たしかに、あの頃は毎日が日々の業務で手一杯でした。「あの頃にMonCargoがあったら、どれだけ楽だっただろう」── 今そう思うくらい、導入後の業務効率の変化は大きかったと感じています。

当時に比べると、少し輸入量は落ち着いていますが、また増えてきたとしても安心して対応できる、そう思えるだけでも現場としては心強い存在です。

単なるDXツールではなく、“きっかけ”になる存在

―― 最後に、同じように輸入業務で悩む方に向けてメッセージがあればお願いします。

藤井様: MonCargoさんは、親身に話を聞いてくれるのでありがたいです。「こういうことに困っていて……」と相談すると、「それなら、こういう使い方もできますよ」といったご提案をいただけるので、ツールというより、パートナーに近い感覚 です。

そして、導入を通して「この情報、実は必要なかったのかも」「この管理方法は見直した方がよさそうだな」など、社内業務や情報の棚卸しが進む こともあります。
トラッキングをきっかけに、それ以外の部分にも自然と目が向く── そんなふうに、業務改善のヒントをもらえる存在 として、MonCargoはとても頼りになります。

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写真:ナイス株式会社 本社オフィス (木のぬくもりとときめきを感じる素敵なオフィスです)


ご紹介企業様

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ナイス株式会社 様
〒230-8571 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央4-33-1 ナイスビル
https://www.nice.co.jp/


MonCargo コメント

今回は、ナイス株式会社様にお話をうかがいました。

「船の入港予定やコンテナのトラッキング情報を一元管理できる」ことで、輸入業務における業務効率化や情報共有の負担軽減に貢献できたことを大変嬉しく思います。さらに、MonCargoを物流DXツールとして活用いただくだけでなく、業務の棚卸しや業務改善のきっかけにもなっているというお話は、今後の開発にとっても貴重な気づきとなりました。

MonCargoはこれからも、貿易業務や輸入実務に携わる現場の皆様の「今、困っていること」に向き合いながら、輸送状況の見える化と業務改善を支えるツールでありたいと考えています。

藤井様、志農様、貴重なお話を本当にありがとうございました!

本件に関するお問合せ先

MonCargo株式会社
info@moncargo.io