Ayana 代表取締役CEO
神戸大学文学部を卒業後、楽天株式会社に入社。ECの基礎を学ぶ。その後、外資系メーカーに転職しメーカー側の課題に直面する。夜間MBAにて経営戦略を学ぶと同時に、FMCGよりもラグジュアリーブランドにおけるマーケティングに興味をもち、フランスESSECに留学。帰国後、外資系化粧品メーカーのECマネージャーやスタートアップCMO等を経て、MonCargoを創業。
ハパックロイド(Hapag-Lloyd)は、ドイツのハンブルクに本社を置く、1970年にハパック(Hamburg-Amerikanische Packetfahrt-Actien-Gesellschaft) とロイド(Norddeutscher Lloyd)が合併してできた大手コンテナ輸送会社です。
ハパック、正式には「ハンブルク・アメリカン・パケットフェーゲット・アクチェンゲゼルシャフト」(Hamburg-Amerikanische Packetfahrt-Actien-Gesellschaft)は、1847年にドイツのハンブルクで複数の商人によって設立されました。ロイド、正式には「ノルトドイチャ・ロイド」(Norddeutscher Lloyd、北ドイツ・ロイド)は、1857年にドイツのブレーメンで複数の商人によって設立されました。
両社とも1850年前後に設立されましたが、アメリカとヨーロッパ間の定期航路を運行していましたが、詳しく理解するには、当時の時代背景を知る必要があります。
当時、ヨーロッパは産業革命により工業製品の供給国として、アメリカは主に農産物や原材料の供給国として、経済を発展させていました。アメリカへの移民が急速に増えた時代とともにハパックとロイドのビジネスは成長していきます。1861年、アメリカで南北戦争が勃発すると貿易は大きく混乱しますが、南北戦争が終結し、アメリカ合衆国が再統一されると、経済の再建が行われました。その経済復興に伴い、コットンやタバコの輸送を手掛け、両者ともにグローバルな海運会社となりました。
■近代化とドイツ統一
19世紀のドイツは、オットー・フォン・ビスマルク(1815年-1898年)のリーダーシップ下における、ドイツ国家統一と産業革命による経済発展の時代でした。
ビスマルクがプロイセン首相(1862年-1890年)および後のドイツ帝国宰相(1871年-1890年)として、ドイツ統一を実現すると、鉄道の拡大、銀行制度の改革、自由貿易の推進などの政策を進めました。その結果、ハパックやロイドも、国際的な航海事業を発展させることができました。
その後、ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世(在位1888年-1918年)は、海軍法を制定してドイツ帝国海軍の近代化と拡大を推進しました。この海軍力拡大政策は、ハパックやロイドなどドイツの船舶産業に大きな恩恵をもたらすことになりますが、同時に、イギリスなど他の海洋国家との外交的緊張を高め、第一次世界大戦の勃発につながる一因となりました。
■世界大戦
1914年、第一次世界大戦が勃発すると、ハパック、ロイドともに大きな打撃を受けることになります。
第一次世界大戦: 両社とも多くの船舶が軍事目的に使用されるために徴用され、戦闘行動や同盟国への抑留により、多くの船が喪失されました。さらに戦争終結後、ヴェルサイユ条約により、両社の多くの船が戦争賠償の一環として連合国に引き渡されました。これは、ハパックとロイドの両社にとって大きな損失でした。
第二次世界大戦: 両社の船は再び戦争のために徴用され、軍用輸送船や病院船、武器や兵員を運ぶための船に改造され、戦争により船を失い、戦後には連合国によりさらなる船が没収されました。
■戦後の復興
戦後、ハパックとロイドは、マーシャル・プラン等の復興資金を活用し、新しい船舶の建造や港湾設備の復興、新しい航路の開設、効率的な運営などに勤しみ、事業を再建していきました。
■合併と成長
長く競争関係にあった両社は、1970年、合併し、現在のハパックロイド(Hapag-Lloyd)が誕生しました。この合併により、競争の激しいグローバルな海運市場で強い地位を確立することになります。
2005年には、カナダの船会社CP Shipsとの合併により北米航路の強化、
2014年には、チリの船会社Compañía Sud Americana de Vapores (CSAV)との合併により南北アメリカ間航路を強化するとともに、運航規模でMaersk、MSC、CMACGMに次ぐ世界第4位のコンテナ船社となりました。
その後、船舶業界で合併が続き、Maersk、MSC、CMACGM、COSCO、Evergreenに次ぐ、世界第6位になりますが、2017年には、アラブ首長国連邦の航送会社であるユナイテッド・アラブ・シッピング・カンパニー(UASC)と合併します。中東航路の強化に成功するとともに、世界トップ5の船社になりました。
Hapag-Lloydの2022 Annual Reportによると、2023年の戦略は次の4つを掲げています。
PROFITABILITY
経済サイクル全体を通じた収益性 (Profitability throughout the entire economic cycle)
GLOBAL PLAYER
魅力的な市場での成長と、グローバルプレーヤーとしての地位の確保 (Growth in attractive markets and safeguarding of our position as a global player)
NUMBER ONE FOR QUALITY
品質と顧客満足度に焦点を当てた差別化 (Differentiation by focusing on quality and customer satisfaction)
SUSTAINABILITY
気候中立の船舶運送を実現する - 一緒に (Making climate-neutralshipping a reality – together)
1つ目は、ROIC(Return on Invested Capital:投下資本利益率)がWACC(Weighted Average Cost of Capital:加重平均資本コスト)と少なくとも等しくなるような収益性、2つ目は船舶やコンテナフリートへの投資や地域サービスプロバイダーの買収などによる成長、4つ目は持続可能性をそれぞれ示しています。なかでも3つ目が「品質でナンバーワン」を目指すという同社の差別化戦略になっています。たとえば年に2回のお客様満足度調査を実施したり、遠隔監視デバイスの搭載をすることで輸送品質の向上につなげています。
参考資料 (2023年7月30日閲覧)
Hapag-Lloyd ANNUAL REPORT 2022
Daily Cargo 電子版 2022年4月28日記事
日本海事新聞 2023年3月14日
Hapag-Lloyd(ハパックロイド)は、サイト内で、ブッキング番号またはB/L番号から検索することが可能です。
Hapag-Lloydのカーゴトラッキングはこちらから
各船会社のトラッキングは、各船会社のサイトでも確認いただけます。一つの船会社しか扱わない場合は、船社ページで確認するのがいいかもしれません。
ただ、一つの船会社だとしても、コンテナのETAスケジュールに変更がないかどうかを都度確認しにいくのは、時間がかかります。また、ETAのスケジュール変更について、他の関係部署の方に聞かれる場合もあります。複数の船会社を利用している場合はさらに管理が複雑です。
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